日本代表MF三笘薫選手が所属するブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFCは、現地時間4月23日、イングランドのFAカップ準決勝でマンチェスター・ユナイテッドに敗れて決勝進出を逃しました。PK戦までもつれる接戦でしたが、フル出場した三笘選手はPKを蹴ることなく試合を終えています。これに対してSNSでは心配の声が……。三笘選手が抱えていたと推測される“不安の種”とは?
目次
- 1. まずは試合を振り返りましょう
- 1.1. PK戦は7人目で決着
- 2. 三笘選手のプレーは?
- 2.1. 延長後半に最大の決定機
- 2.2. 「最後の質を改善しないといけない」
- 3. SNSではファンから心配の声が挙がる
- 4. 今大会の三笘選手の活躍
- 5. リーグでの戦いは続く
まずは試合を振り返りましょう
1982-83シーズン以来40年ぶりの決勝進出を目指したブライトンと、2017-18シーズン以来5年ぶりのファイナル進出を狙ったマンチェスター・ユナイテッドの一戦は、聖地ウェンブリー・スタジアムで行われました。攻め合いながらもスコアレスのまま前後半の90分を終え、延長戦に入っても互いにゴールを奪えません。結局120分では決着がつかず、勝負の行方はPK戦に委ねられます。
PK戦は7人目で決着
PK戦ではともに6人ずつが成功し、7人目で雌雄が決します。先攻・ブライトンのMFソリー・マーチが失敗した一方、後攻・マンチェスター・ユナイテッドのDFビクトル・リンデロフがきっちりゴール。ブライトンは惜しくも6-7でPK戦を落とし、決勝への切符を逃しました。一方でマンチェスター・ユナイテッドは決勝でマンチェスター・シティとのダービーに挑みます。
三笘選手のプレーは?
三笘選手はこの日、対峙した相手DFアーロン・ワン=ビサカの粘り強い守備に苦戦しながらも、要所で決定的なチャンスを演出。前半32分、左サイドでボールを持つと中央に切り込んでいきます。ペナルティアーク付近でワン=ビサカのタックルに阻まれ、シュートには至りませんでしたが、マンチェスター・ユナイテッドの守備陣を脅かしました。
延長後半に最大の決定機
三笘選手の最大の決定機は延長後半に訪れます。113分、右サイドから中央へと入り込んだソリー・マーチからボールを預かると、相手を引きつけてダブルタッチで前方へパス。そのままペナルティエリアに進入してリターンパスを受け、GKとの1対1の局面に。しかしファーストタッチが大きくなり、相手GKダビド・デ・ヘアに阻止されてしまいました。
「最後の質を改善しないといけない」
結局ノーゴールに終わり、チームを勝利に導けなかった三笘選手。ドイツメディア「one football」で以下のように自身のプレーを振り返っています。
「(チームとして)決め切るチャンスがあったなかで、僕自身も決め切れなかったのを反省しているし、PKは難しいなと思った。もうちょっと何かできたんじゃないかなと思う。僕は(これまでユナイテッドと)対戦していないけど、やっぱり個々のクオリティが高く、カウンターに注意しないといけなかった。トータルで見れば上手く試合を運べていたけど、最後の質を僕も改善しないといけない」
SNSではファンから心配の声が挙がる
SNSで心配の声が挙がったのが、最後のPK戦についてでした。7番目を迎えても三笘選手の出番は訪れず、Twitterでは「三笘PKトラウマになってない?」「PKというと、どうしてもまだあのシーンを思い出してしまう」などの投稿が見られました。
ファンは、昨年12月に開かれたカタール・ワールドカップのクロアチア戦で三笘選手がPKを失敗したことを引き合いに出して、“PK恐怖症”になってしまったのではないかと不安視しているのです。三笘選手はクロアチア戦後に人目をはばからず涙を流し、ショックを口にしていたため、今回も心配されてしまったのかもしれませんね。
三笘選手がPKキッカーを務めなかったのは疲労が原因かも
しかし三笘選手がキッカーを務めなかった理由について別の見方もできます。サイドハーフで、しかもドリブラーというプレースタイルであるため、どうしても試合を通して消耗が激しいのです。ブライトンを率いるロベルト・デ・ゼルビ監督は三笘選手の疲労を考慮して、あえて後ろのほうの順番に置いたのかもしれません。
真偽は分かりませんが、デ・ゼルビ監督は選手をよく観察する指揮官です。最後にPKを失敗したソリー・マーチについても「あまり多くの言葉かけはしていない。『私も選手としてPKで多くのミスをしたが、それは問題ではない』とは伝えた。ピッチ上におけるパフォーマンスのクオリティという部分で言うと、ベストプレーヤーの1人だった。とりわけ、彼のことを誇らしく思う」と話しているところからも、その人間性の良さが窺い知れますよね。
今大会の三笘選手の活躍
惜しくもチームを決勝に導けなかった三笘選手ですが、今大会は全5試合に出場して2得点。特に前回王者のリバプールとの4回戦では終了間際のスーパーゴールを決めて劇的勝利の立役者となりました。芸術的な一発に衝撃を受けたファン・サポーターは多いでしょう。
大会を終えた三笘選手は自身の公式Instagramにて「結果は非常に残念ですが、このチームを誇りに思います。素晴らしいサポートをありがとうございました。再び努力し、リーグ戦に集中します」と英語で投稿。日本語では「応援ありがとうございました。悔しいですが、前を向いてすぐリーグ戦に切り替えます」と心情を発信しています。
リーグでの戦いは続く
FAカップでは敗退したものの、プレミアリーグでの戦いは続きます。ブライトンは29試合を終えて現在8位。来季のヨーロッパリーグ出場(5位)を視野に捉えていますし、チャンピオンズリーグ出場圏浮上の可能性も潰えていません。チームの躍進には三笘選手の活躍が不可欠。三笘選手には、この敗戦に落ち込むことなく、さらなる活躍を期待したいですね。
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