先月、フランス全国周波数庁が「iPhone 12」が発する電波が「基準値を超えている」とし、市場からの撤去をAppleに求めるという騒動が起こりました。
フランス全国周波数庁(ANFR)は12日、同日をもってiPhone 12をフランス市場から撤去するようアップルに求めたと発表。「比吸収率が基準値を超えていることが測定で示された」としてiPhone 12はEU規制に準拠していないと結論付け、「アップルはiPhone 12の流通を防ぐため、直ちに対策を講じなければならない」とした。
— 引用:CNN
この問題の発生からおよそ一ヶ月がたった現在、Appleがフランスの検査に対する反論を含む詳細なサポート文書を公開しています。
*Category:テクノロジー Technology *Source:Appleinsider ,Apple
無視されたiPhoneの「オフボディ検出」
Appleが10月10日、「iPhone 12」とフランスの無線電力テスト、そして「iPhone 12」が不適合とされた理由を記したサポート文書を公開しました。この文書の中でAppleは、「iPhone 12」を含む多くのiPhoneに搭載されている「オフボディ検出機能」について言及しています。
Appleはサポート文書で、「10年以上前から、iPhoneにはオフボディ検出機能が搭載されており、例えばテーブルの上などに携帯電話を置くと、送信出力がわずかに高くなります」と述べています。
This has been thoroughly tested and verified internationally to be an effective mechanism to comply with SAR requirements. The slightly higher power is not applicable to SAR compliance since the phone is on the table, not on your body.
— 引用:Apple
訳:これは、SAR要件に準拠するための効果的なメカニズムであることが国際的に徹底的にテストされ、検証されています。携帯電話はテーブルの上に置かれているのであって、体の上に置かれているわけではないので、わずかに高いパワーはSARのコンプライアンスには適用されません。
この機能を採用しているのはAppleだけではありません。テックメディア「Apple insider」は、サムスンやGoogleを始め「おそらく他のすべての携帯電話メーカー」が、国際的な規制、基準、テストプロトコルに準拠した同じことを行っていると指摘しています。
フランス全国周波数庁(ANFR)が、なぜ「オフボディ検出機能」を考慮しないプロトコルを使用したのかは不明です。Appleはまた、ANFRが行ったこのテストについて「国際規格と整合していない」とサポート文書で指摘しました。
なお、Appleは今回のSAR規制に従うため、オフボディ検出時のモデムへの許容電力を増加させなくするアップデートを、フランスの「iPhone 12」ユーザー向けに行ったとのこと。これによりセルラーのパフォーマンスがわずかに低下する可能性があるものの「大半のユーザーには影響はないと思われる」としています。
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