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Appleの「古いiPhoneの下取り」で儲ける戦略。知られざる「裏方ロボット」の存在とは?



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Appleは近年、下取りプログラムを大々的に宣伝し、新しいモデルの割引と引き換えに古いiPhoneを手放すようユーザーに呼びかけています。

しかし不思議なのは「なぜAppleが、そこまでして古いiPhoneを欲しがるのか」という点です。これについて、Appleについて解説するYouTubeチャンネル「Apple Explained」が解説しています。



*Category:テクノロジー Technology|*Source:Apple Explained

Appleが「下取りプログラム」で古いiPhoneを積極的に受け取る理由


現在ではユーザーの3分の1以上が利用しているこのプログラムですが、始まったのは2013年のこと。同年は、Appleが「過去10年間で初めて四半期ベースの利益が減少した」時期として知られています。

このタイミングで下取りプログラムが始まったことは、偶然ではないでしょう。そして最高値を更新する「iPhone X」をリリースした2017年に、下取りプログラムを積極的に推進し始めます。

実はこのプログラムは、同社が直面していた「市場の飽和によるiPhone販売の鈍化」と「iPhoneの価格上昇による買い替えサイクルの長期化」という2つの問題を解決する鍵となるものでした。


では、Appleはどのように古いiPhoneを活用し、下取りプログラムで問題を解決したのでしょうか?

下取りされた古いiPhoneはどこへ行くのか


もしiPhoneが使える状態であれば、修理され、インドや中南米、アフリカなどの新興市場で再販されることになります。

ここには、2つのメリットがあります。まず、Appleは一度製造しただけのデバイスを2回売ることができます。軽い修理であればコストも少なくて済むため、比較的安い価格で提供することもできます。


もう1つが、新興市場へのアプローチです。物価が安く、スマートフォンが高級品である国々では、iPhoneよりもエントリークラスのAndroid端末が好まれる傾向にあります。しかし、中古品であれば安く提供できるため、安価なAndroid端末とも競争力を持つことができるのです。

簡単に思えますが、これは世界全体にマーケットを持ち、なおかつ長いサポートが補償される「Appleというブランド」だからこそ出来る取り組みです。しかし、あまりにも状態が悪く販売できない場合、Appleは端末のリサイクルを行います。

iPhoneのリサイクルで活躍する「裏方ロボット」

リサイクルで活躍するのが「Daisy」というロボット。Daisyは1時間に200台のiPhoneを分解し、リサイクル可能な素材を回収することができます。

こちらが「Daisy」が実際にiPhoneを解体している様子。


この動画は、2018年のアースデーに合わせて披露された映像です。 ちなみに、以前は別の「Liam」というロボットが使われていました。

中でも重要視されるのがレアアースの回収です。なお「iPhone 12」では、100%リサイクルされたレアアース素材を使用されています。


「Apple Explained」は、Appleが目指すクローズドなエコシステムを実現するためには、このようなアプローチが必要だったと解説しています。そしてiPhoneの下取りプログラムは思惑通り「ユーザー」「地球の環境」そして「Apple自身」に様々なメリットをもたらしています。

Appleは「地球から新たな素材を取り出さずに、すべての新製品を製造する」という目標を掲げています。この目標は非常に困難なものですが、達成に向けてAppleが着実に進んでいることは間違いありません。

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