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Appleが数千億円を投じる「最重要プロジェクト」脱インテルの次に目指すもの

Appleが今後すべての製品に導入を目指している新たなマイクロLEDディスプレイ技術について、いくつかの新たな情報が登場しています。

*Category:テクノロジー Technology *Source:MacRumors ,@DSCCRoss(Twitter) ,9to5Mac ,iPhone 14 Pro(Apple)

全製品に「マイクロLEDディスプレイ搭載」を目指すAppleの腹づもり


テック系メディア「MacRumors」が共有した経済紙記者マーク・ガーマン氏の最新レポートによると、マイクロLEDディスプレイを搭載した「Apple Watch Ultra」を2024年末までに発表し、その後iPhone、iPad、Macにこの技術を導入することを計画しているとのこと。

Appleは2017年頃、コードネーム「T159」と呼ばれるマイクロLED計画を始動させ、開発に約6年を費やしました。同レポートによれば、AppleはすでにApple Watch向けにこの技術をテストしているそうです。

マイクロLEDは現行の12.9インチiPad ProやMacBook Proに採用されているミニLEDとは異なり、有機EL(OLED)に代わると期待されている技術です。「MacRumors」によれば、この技術は視野角の改善とともに、より明るく鮮やかな色をもたらすとのこと。ガーマン氏は、このディスプレイについて「コンテンツをガラスの上に描いたように見せる」と述べています。

AppleがマイクロLED以降を目指す理由の一つが〝脱サムスン〟です。レポートでは、この技術がサムスンやLGといった企業が供給している部品(主にディスプレイ)を置き換えると指摘しています。Appleはこれまで、特に有機ELディスプレイでは供給の大部分をサムスンやLGに頼っていました。


同社は当初、早ければ2020年にマイクロLEDディスプレイに切り替える予定だったものの、技術的な課題があったそうです。また、Appleは大型ディスプレイにもマイクロLEDを採用する予定だったものの、コスト面の理由から、まずはApple Watchに注力することにしたとのこと。Appleはディスプレイ技術の開発に数千億円を投じており、この移行はAppleの最も「重要なプロジェクト」の1つとされています。

ガーマン氏は、この技術が2024年の「Apple Watch Ultra」でデビューした後、iPhone、iPad、Macに続いて採用されると予測しており、Appleは最終的に主要製品すべてにこのディスプレイを導入することを目指していると考えています。ただし初期段階では技術が複雑であるため、Macに搭載されるのは10年後になるかもしれないそうです。

マイクロLED技術が「Apple Watch Ultra」に採用される点については、Apple製品のリークで実績のあるジェフ・プウ氏やロス・ヤング氏といった2人の有名アナリストのリークも裏付けています。ただし、プウ氏はマイクロLEDディスプレイ搭載「Apple Watch Ultra」の登場は、2024年ではなく2025年だと予測しています。

また、ディスプレイ業界に詳しいロス・ヤング氏は、このマイクロLEDディスプレイがLGで生産されていると指摘しています。

LGDがApple Watch向けマイクロLEDバックプレーンの小型ラインを建設中であることは、11月のCapex Reportで発表した。生産開始は24年下期。25年の発売に向けてアップルからマイクロLEDを組み立てるのは、この小規模なラインだと思われる。Appleは全工程を行わないだろう。

ここ数年で最も変化の大きかったiPhoneは、有機ELを初めて採用した「iPhone X」です。AppleのマイクロLEDディスプレイがどれほどのクオリティになるかは不明ですが、このディスプレイ搭載した競合製品が現状ほぼ存在しないのは事実。AppleがマイクロLEDをいち早く開発できれば、Appleシリコンのように、競合にはない同社製品の新たな強みとなりそうです。

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