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AI「新Bing」はマイクロソフトの公式デモですら間違いだらけだった

最初のデモで事実誤認をしたのは、GoogleのAIチャットボットだけではなかったようです。独立系AI研究者のドミトリ・ブレトン氏が、マイクロソフト「Bing」のチャットAIの最初のデモに、間違いがいくつもあったことを報告しています。

*Category:テクノロジー Technology *Source:The Verge ,dkb ,Reddit

マイクロソフト「Bing」のチャットAI、致命的なミスが次々発覚


マイクロソフトは1週間前、BingのチャットAIを披露し、検索エンジンは、売れ筋のペット用掃除機の長所と短所の提示、メキシコへの5日間の旅行計画、財務報告書のデータの比較などのタスクを引き受けられることをアピールしました。しかし「Bing」は、コード付き掃除機とコードレス掃除機の区別がつかず、財務データの多くを間違うというとんでもない失敗をしていたようです。

デモの1つで、マイクロソフトののBing AIはアメリカの大手衣料品チェーンストアブランド「GAP」の2022年第3四半期の財務報告を要約しようとしました。Gapのレポートには「売上総利益率」が37.4%、調整後の売上総利益率が減損費用を除いて38.7%と記載されています。しかしBingは不正確にも、調整および減損費用を含む粗利益率を37.4パーセントと報告しました。

Bingはその後、Gapの営業利益率が5.9%と報告されていたと述べていますが、これは決算では示されていません。実際の営業利益率は4.6%で、調整後では3.9%、減損損失を含んだものです。

マイクロソフトのデモでは、Bing AIはその後、GAPの財務データをスポーツ衣料ブランド「ルルレモン」の2022年第3四半期の同じ業績と比較しました。Bingはルルレモンのデータでもミスを犯しており、不正確な比較結果になってしまいました。

ブレトン氏は、ペット用掃除機の売れ筋商品の長所と短所に関連するクエリでも明らかなミスがあることを指摘しました。Bingは「Bissell Pet Hair Eraser Handheld Vacuum」という商品を挙げ、コードの長さが約5mと短いことを短所として挙げています。

しかし、URLに表示されたこの掃除機はコードレスのものでした。同メーカーの掃除機にはコード付きのバージョンがあり、Bingはこれと混同していたようです。

Bing AIの間違いは、ステージ上のデモだけにとどまりません。海外掲示板「Reddit」に投稿された内容によると、ユーザーの質問に混乱したBing AIは「申し訳ありませんが、現在は2023年ではなく、2022年です」と返答しています。


ユーザーが自分のスマホでは2023年になっていると言うと、Bingは正しい設定をしているか確認し、「日付を狂わせるウイルスやバグ」がないか確認するよう提案したそうです。

マイクロソフトはこのAIについて「立ち上げの初期段階から学び続けながら、さらなる改善を検討している」としています。とはいえ、現在のBing AIの状況を見る限り、信頼できる情報収集手段として完成するまではまだまだ長い道のりとなりそうです。

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