いまの親世代が小学生のころの通学カバンと言えばランドセルしかありませんでしたが、最近は「リュックでも通学して良い」という小学校が出てきており、ランドセル風リュック(通称:ランリュック)を選ぶ世帯も見られるようになりました。
ランリュックを選ぶ理由としては、「ランドセルは価格が高い」「ランリュックの方が軽そう(子供の負担が軽くなる)」といったことが挙げられています。
これからの通学カバンはランリュックが増えてくるのでしょうか? 気になったので調べてみたところ、驚きの事実が分かってきました。
ランドセルとランリュックの重さはほとんど同じ
まず、「ランリュックの方が軽い」というのは正しくもあり、間違いでもあります。
ランリュックは800g前後からありますが、ランドセルは1,100~1,300gほどの重さがあります。
けれども、ランリュックの売れ筋商品は1,200g以上のものがほとんどで、最近話題のワークマンが発売したランリュックは1,300gとリュックなのにランドセル以上の重さなんです。
また、ランドセルの方も『スゴ軽エアー』といった商品であれば990gとかなり軽くなります。
つまり、どっちが重いかは選ぶ商品で決まるため、一概にどちらが重いとは言えない状況です。
「ランドセルはランリュックと比べて高い」
ただし、価格はランリュックよりランドセルの方が高いです。
ランリュックが5,000円~20,000円という金額なのに対して、ランドセルは25,000円~80,000円です。
こうした金銭的な理由から、ランドセルよりもランリュックを選ぶご家庭が出てきているそうなんです。
しかし、その価格は、子供のために必要な機能をつけた結果でもあります。
ランドセルの耐久性はランリュックより高い
まずは耐久性の違いです。昔の時代のランドセルでも、6年間同じものを使えた人は多いと思います。
それはいまの時代も変わっていません。ランドセルは6年間、もってくれます。
また、一般的なブランドのランドセルには6年間の無償修理保証がついています。仮に故意に壊してしまった場合でも有償で修理が可能で、6年間本体を買い直す必要がありません。
ランリュックにランドセルと同じレベルの耐久性を求める場合は専用の素材が使われることになり、値段は平均よりも上がってしまいます。
「重い」のは教材。その負担を減らす仕組みがあるのがランドセル
また、「ランドセルは重い」と言う話もありますが、本当に重いのはランドセルではなく“教材”です。
教材の平均的な重さは4.7kgと言われており、通学カバンの重さよりも教材の重さが子供たちの負担になっています。
そのため、ランドセルでは背負ったときに重心が後ろではなく真下にかかるようになる“立ち上がり背カン”という仕組みや、走ったときに背中からランドセルが跳ねないようにする工夫が施されています。
これにより、子供は実際の重量よりも軽く感じられるようになっています。
ランリュックには“立ち上がり背カン”がないため、気になる人はランドセルの展示販売などで実際に教材を入れてみて比較してみてください。
ちなみにいまは“置き勉”が許されているため、昔のように教材を全部持って帰る必要はなくなりました。けれども置き勉が許されるかどうかは地域によって異なり、さらに近年ではタブレット学習が始まったことでさらに重くなっていることにも注意が必要です。
タブレットの故障も防いでくれるランドセル
また、ランドセルはさきほど紹介したタブレットの持ち運びにもピッタリです。
ランドセルには人工皮革が使われているため衝撃に強く、落としたときもタブレットを守ってくれます。
一方、ランリュックの場合はナイロンなどの布なので衝撃がそのままタブレットに伝わってしまいます。
ランドセルは子どもを事故から守ってくれる
さらに、ランドセルはタブレットだけではなく子どもの安全も守ってくれます。
まずは転んだときです。ランドセルだと、後ろに転んだときでも子どもが後頭部を打たずにすみます。
また、水筒や体操袋を引っ掛ける金具も、車やバイクに巻き込まれたときに外れやすく設計されています。これもまた、子供を守ってくれる仕組みです。しかも、修理しやすく作られているため、買い直すときと比べて修理費用を安く抑えられます。
さらに、ランドセルは水に浮くように設計されています。川や池に落ちてしまっても、ランドセルであれば助かる可能性が上がります。
そのほか反射材があるため夜道でも安心ですし、防災頭巾としても使用できます。
このように、ランドセルは子どもの安全にも気を使っているのです。
決めるのは子どもの意見を聞いて
ただ、最終的にランドセルにするか、ランリュックにするかはこれだけでは決められません。
一番重要なのは、実際に使う子どもの意見です。6年間使うのは子どものため、その子が気に入った通学カバンを選ぶことが一番です。
そのためには、ランドセルの展示会や店頭で実際に背負ってみて比較することをおすすめします。最近ではランドセルのレンタルをしてくれるメーカーさんもあるそうです。
Source: app