スコットランドの冒険家であるクリス&ジュリー・ラムゼイ夫婦が、カスタマイズした日産の電気自動車(EV)「アリア」で北極点から南極点までを約9ヶ月で走破したことを発表しています。
» Chasing Dreams, Breaking Boundaries, Making History: Reflecting on Our Arctic Adventure
*Category:テクノロジー Technology
日産EV「アリア」で北極〜南極点を走破した夫婦
クリス&ジュリー・ラムゼイ夫婦は、以前にEVでモンゴル・ラリーを完走したこともある冒険家です。夫婦らは、地球上で最も過酷な条件下での走行を専門とするアイスランドのアークティック・トラックス社の協力を得て、改造した日産「アリア」で3月に北極点から出発しました。
テックメディア「electrek」によれば、最大の改造はタイヤの大型化だったとのこと。それ以外のサスペンションなどはほぼノーマルで、基本的には「リフトアップされただけ」だとしています。
» The first-ever drive from North to South pole is complete – and it was all-electric
But it’s not actually all that far off from stock – the biggest change is 39-inch tires which required modified wheel arches. Other than that, the powertrain and suspension are mostly stock (just lifted), with no gearbox change as would have been necessary on a gas or diesel vehicle. Several gear solutions were added, along with tow hitches and some frame and underbody reinforcement.
— 引用:electrek
訳:最大の変更点は39インチタイヤで、ホイールアーチの加工が必要だった。それ以外のパワートレインとサスペンションはほぼノーマル(リフトアップされただけ)で、ガソリン車やディーゼル車に必要なギアボックスの変更はない。いくつかのギヤ・ソリューションが追加され、牽引ヒッチ、フレームとアンダーボディの補強も行われた。
アークティック・トラックス社はこの改造したアリアを「T39」と呼んでいましたが、夫婦は旅の途中でにスペイン語で笑顔を意味する「ソンリサ」という新しい名前をつけたとのこと。
当初の計画では、極地での駐車中に車を充電するために小型風車付きのトレーラーを使用する予定だったものの、北極圏ではうまくいかなかったそうです。そこでラムゼイ夫妻は、天候が不順なときには発電機を使うことに加え、南極では夜間も太陽光が降り注ぐことを利用し、ソーラーパネルでも充電を行ったとのこと。
寒冷な気候は電気自動車にとって厳しいものだとされていますが、日産アリアはマイナス30度以下の気温でも走行に成功しました。しかし、北極の風がバッテリーを凍らせないよう、小さな雪の壁を作るなどの工夫が必要だったそうです。
夫婦はウェブサイト「Pole to Pole」にて、チームが日産EV「アリア」のパフォーマンスの高さに驚嘆し、「地形を横断する過酷な試練に耐えているにもかかわらず、故障がひとつもなかった」ことに驚いたと述べています。
北極から南極までの経路では、北米から南米のルートを使っています。北米ではEVの充電ステーションが多数あるものの、南米では困難な状況にも陥ったとのこと。夫婦の詳細な移動ルートや内容は「Pole to Pole」で確認することができます。
そして12月、9ヶ月と17,000マイル(約2.7万km)に及ぶ道のりを経て、夫妻はついに南極点に到達しました。「electrek」によれば、北極から南極までの全工程を走行したのは、ガソリン車・電気自動車にかかわらず、史上初めてとのことです。
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