9月13日に発表された「iPhone 15」シリーズでは、「iPhone 5」以来となる充電ポートの変更が行われ、USB-Cが初採用されました。このUSB-C採用のデメリットについて、Apple専門の米メディア「Appleinsider」が指摘しています。
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「iPhone 15」に初搭載されたUSB-Cポート
さかのぼると、16年前に発売された初代iPhoneは、iPodラインと同じ30ピンコネクタの充電ポートを採用していました。Appleがこの充電ポートを搭載したのは「iPhone」「iPhone 3G」「iPhone 3GS」「iPhone 4」「iPhone 4S」までです。
しかし、2012年に「iPhone 5」が現在のLightningポートに切り替わったときの世間の反応は、決して良くはありませんでした。これは、iPodの人気によって30ピン・コネクタが広まっていたことが大きな理由です。また、「iPhone 5」の発売当時、Appleの30ピンからLightningへの変換アダプタが品薄だったことも原因でした。
これ以降AppleはLightningポートを採用し続けてきましたが、実は途中でも大きな変化が起こっています。それまでLightning to USB-Aだったのが、Lightning to USB-Cに切り替わったのです。この変更は、より高速な充電を実現するためのものでした。
これらの変更は少なからず混乱を招きましたが、今回のUSB-Cへの変更はさらに大きなものです。しかし今回の場合は、消費者にとってほとんど問題にならないだろうと「9to5Mac」は指摘しています。
まず、USB-Cポート採用のメリット・デメリットについては以下の通り。
- USB 3による最大10Gb/sの高速データ転送
- 他の端末との互換性
高速伝送についてはProモデルに限られており、標準モデルはUSB 2(最大480Mb/s)です。また、Proモデルも予測されていたUSB 4やThunderboltのような最新規格ではなく、一般的なUSB 3でした。それでもUSB-C規格に切り替わったことで、多くの端末で同じケーブルを使えるようになったということは大きなメリットと言えるでしょう。
現在のAppleは、「MacBook」や「iPad」、Apple TVのリモコンやBeatsヘッドフォンまで、iPhone関連製品以外のほとんど全てを、USB-Cで充電できるようにしています。また、USB-Cはすでに一般的に広まっているため、新たに充電器を購入する必要があるユーザーは以前の例よりも少ないはずです。
また、ケーブル一本で映像出力が可能なDisplayPortに対応したことも大きなメリット。さらに「iPhone 15 Pro」と「iPhone 15 Pro Max」は、外付けドライブの接続による高画質録画にも対応しました。
一方で、充電速度については変更がなかったようです。Apple公式サイトには、全モデルについて「約30分で最大50%充電(別売りの20W以上のアダプタを使用)」と記載されています。
対して、「Appleinsider」が上げているデメリットの部分が以下の通り。
- ケーブルよりも端末側が損傷する可能性が高い
- 規格が多く紛らわしい
意外な弱点が、端末側のポートの耐久性です。Lightningとは違い、USB-Cポート内にはベロのような端子が中央にあります。この構造上、ケーブルに負担がかかった場合に、ケーブルよりもスマホ側の接触端子が故障してしまいやすいのです。とはいえ、USB-Cコネクターは10,000回以上の抜き差し回数を想定して設計されているため、一般的な用途での耐久性であればLightningに勝ります。
また、USB-Cには規格が多く、紛らわしいという問題も。「iPhone 15 Pro」はUSB 3規格を採用しています。
充電だけであれば、いっそのことワイヤレス充電に切り替えてしまうのも選択肢の1つです。「iPhone 15」シリーズは新たに汎用規格のQi2に対応しており、今後サードパーティ製の充電器も増えていくはずです。
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