前節オサスナ戦で途中出場からチームの勝利を決定づける今季7ゴール目を奪った久保建英選手でしたが、早くも今季8ゴール目を決めました! しかも相手は自身の古巣であり、現在も50%の保有権を持つ名門レアル・マドリー。やはりゴールパフォーマンスは控えめでしたが、サポーターやチームメイトの喜ぶ姿がこの得点の価値の大きさを物語っていました。いったいこのゴールの背景にどのようなストーリーがあったのでしょうか
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目次
- 1. ソシエダがマドリーにホームで勝利残り5試合での現状は
- 2. ソシエダ本気の11人対主力温存のマドリーなぜこのような対照的な構図になったのか
- 3. 試合前の去就報道を吹き飛ばした久保の発言「僕は来季もチュリウルディンの選手」
- 4. このままいけば今季10得点も。来季に世界を驚かせる22歳は見られるか
ソシエダがマドリーにホームで勝利残り5試合での現状は
この試合が動いたのは後半開始直後のことでした。それまでは両チームチャンスを創出するもなかなか決めきれず、スタッツもほぼ互角。そんな均衡を崩したのは我らが久保建英選手でした。
試合を通して前線からプレスをかけていくレアル・ソシエダでしたが、それに対するレアル・マドリーも後ろから繋ぐかたちで応戦。しかし後半開始直後の47分、プレッシャーを受けたマドリーのDFミリトン選手が足を滑らせバックパスがずれてしまったのです。そこを逃さず詰めていたのが久保選手。キーパーの背後から現れ、左足でゴールネットを揺らしました。
ソシエダ本気の11人対主力温存のマドリーなぜこのような対照的な構図になったのか
久保選手の活躍により勝利したこの試合ですが、開始前からこの2チームの試合に懸ける熱量には大きな差が感じられました。と言いますのも、ソシエダはこれまでメンバーを入れ替えながらやりくりして戦ってきましたがこの試合だけは違ったのです。スタメンに名を連ねたのは、現状考えられる最も良い11人。前節ベンチスタートのエースストライカー、スルロット選手をはじめ10番オヤルサバル選手、ソシエダの”心臓”ダビド・シルバ選手など豪華アタッカー陣を試合開始から見ることができました。
対してレアル・マドリーはというと、エースのヴィニシウス出場停止だけではなくストライカーのカリム・ベンゼマを温存して望んだのです。代わりに入ったのはこれまで7試合の途中出場しかないマリアーノ・ディアス選手。これは正直上位対決としては物足りない人選でした。
レアル・マドリーがフルパワーで闘えない理由とは
それではなぜレアル・マドリーはこの上位対決を最高の11人で闘えなかったのでしょうか。それはおそらく強豪ならではの嬉しくも悩ましい過密スケジュールが関係しています。このソシエダ戦の4日後にオサスナとの国内カップ決勝、そしてその3日後にはマンチェスター・シティとのCL準決勝を控えていたのです。どう考えてもリーグ戦でペースを落とさないとリカバリーが間に合いません。
また、リーグ戦では現在首位バルセロナと14ポイント離れて3位。優勝は難しいが、CL出場権はほぼ確保している状態です。マドリーも名門ですからやはりタイトルは欲しいところ。となればどうしてもリーグ戦を犠牲にせざるを得ないのでしょう。
一見余裕そうに見えるソシエダが抱える不安要素とは
そして今季絶好調な久保選手所属のソシエダは現在リーグ戦4位。これは来季のCL出場権獲得圏内です。そして5位ビジャレアルとの勝点差も7ポイントと、残りが5試合であることを考えると十分な余裕があるように思えます。しかし本人たちはそうは思っていませんでした。それは残りの対戦カードを見ると良く分かります。
第35節は首位バルセロナ、そして37節は2位アトレティコ・マドリーとの対戦です。この2試合だけでも6点の差を縮められかねません。これに前節のレアル・マドリー戦も含めると残り6節でトップ3すべてと闘う最悪の状況。レアル・マドリーは前述したような大変な過密日程なので、ここで落とすわけにはいかないとなる理由もよく分かりますね。
試合前の去就報道を吹き飛ばした久保の発言「僕は来季もチュリウルディンの選手」
この試合の前、実はそれぞれの監督が久保建英の去就について話しておりそれがメディアで話題となっていました。レアル・マドリーの指揮官、アンチェロッティ監督は未だチームが保有権を持つ久保選手について「あのようなタイプの選手がうちで出場時間を得るのは難しい」と買い戻しはないとも取れる発言を。それに対してソシエダのイマノル監督は「彼がチュリウルディンの選手であり続けることを確信している」と久保選手を必要としている趣旨の熱い思いを口にしていました。
ここで言う”チュリウルディン”とはレアル・ソシエダの愛称であり、このような呼び方をつかうことはより久保選手に対して同士であるという意識を強調したものだとも考えられます。そして試合後のインタビューで久保選手は「僕は来季も100%チュリウルディンの選手でありたいと思っている」と来季もチームの一員として闘うことを明言しました。
この「出場が難しい」と言われた古巣からゴールを決め、勝利し、更に残留を明言するといった一連の流れは見ていて非常に清々しかったです。これは日本のファンやソシエダサポーターも同じなのではないでしょうか。これまでレンタルで転々と移籍を繰り返してきた久保選手だけに、自分を必要としてくれる”家”があることはとても嬉しいことに違いありません。
このままいけば今季10得点も。来季に世界を驚かせる22歳は見られるか
前節に続き得点を決めている絶好調の久保選手ですが、次節は8位ジローナ戦。今節も途中で交代しているだけに、リカバリーもしやすかったのではないでしょうか。次節でもスタメン出場に期待です。
また残り5試合で2得点以上決めれば2桁の大台に乗り、一躍スターの仲間入り。移籍初年度にこの活躍ですから、来シーズンはもっと期待できることでしょう。周りとの関係性の中で力を発揮する選手ですから、チームメイトとより理解を深めればより良くなることは間違いありません。久保選手に”自由”が与えられてソシエダが「久保のチーム」になることを願うばかりです。
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