唐辛子などの辛いモノを食べると体が熱くなったように感じることがあります。なぜ、辛いモノを食べると熱くなるのでしょうか?そして、なぜ人は辛いものを好むのでしょうか?これについて、海外YouTubeチャンネル「TED-Ed」が解説しています。
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「辛さ」と「熱さ」のメカニズムとは?
まず「辛い」とは甘みや塩味、酸味のような味覚ではありません。実は辛い食べ物に含まれる化合物が、ポリモーダル侵害受容器という種類の感覚ニューロンを活性化させます。これは、口や鼻など全身にある受容体で、極端な暑さで活性化するのと同じものです。そのため、汗をかき、心臓の鼓動が速くなったりします。
しかし、すべての辛い食べ物が同じように辛いワケではありません。その違いは、関与する化合物の種類にあります。黒胡椒や唐辛子に含まれるカプサイシンやピペリンは、アルキルアミドと呼ばれる大きくて重い分子で構成されており、それらはほとんど口の中に留まります。
一方、マスタードやワサビは、イソチオシアネートと呼ばれる小さな分子でできており、副鼻腔に浮き上がりやすいです。そのため、唐辛子は口の中を、わさびは鼻を刺激します。
辛さの目安はスコヴィル値で表されます。ピーマンの辛さが0であるのに対し、タバスコは1,200〜2,400と言われています。特に辛い唐辛子で有名なのは「トリニダード・モルガ・スコーピオン」と「カロライナ・リーパー」です。これらの唐辛子のスコヴィル値は150万から200万で、これは催涙スプレーに含まれる熱量の約半分に相当します。
では、なぜこんなにも強い痛みを感じるものを人間は食べたいと思うのでしょうか?一説によると、人類は細菌を退治するためにスパイスを食品に加え始めたと言われています。しかし、なぜ私たちは今も辛いものを食べ続けているのか、それはまだ謎に包まれています。
もしかすると、辛いものを食べることはジェットコースターに乗るようなもので、たとえ不快な感覚であっても、そのスリルを楽しんでいるのかもしれません。意外な共通点として、辛いものを好んで食べる人は、ギャンブルなどアドレナリンの分泌が多い行為を好む傾向があるという研究結果もあります。
ちなみに、ある研究によると辛いモノ(痛い)の耐性を高めることはできないとのこと。実際、研究によると辛いものを好んで食べる人は、そうでない人に比べて火傷の痛みへの耐性が高いわけではないことが分かっています。辛いモノが好きという人は、その〝痛み〟が好きなのかもしれませんね。
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