AppleやAMDがチップ製造を委託する台湾TSMCの3nmプロセスチップ製造について、台湾メディア「DigiTimes」が最新情報を報告しています。
*Category:テクノロジー Technology *Source:wccftech ,MacRumors
TSMCの3nmチップ製造はAppleの独壇場に
Appleのチップセットを製造し続けてきたTSMCは、2022年の第4四半期にN3(3nmプロセスノード)の量産を開始しました。テックメディア「wccftech」が共有した「DigiTimes」のレポートによれば、この新しいチップの性能は「期待を上回っている」とのこと。これにより、TSMCはプロセスノード技術における支配的な地位を維持すると予測されています。
そんな貴重な3nmプロセスのチップ製造ラインをいちはやく確保していたのがインテル。同社は、第15世代Arrow LakeのiGPUに外部ファウンダリを活用し、プロセスサイズの遅れを挽回しようとしていると考えられていました。
しかし、インテルはこの3nmプロセスチップの発注を2024年の第4四半期まで発注を遅らせたようです。「wccftech」は、こうなるとインテルの第15世代チップ「Arrow Lake」のまともな出荷可能な数量が揃うのは、2025年の後半になると指摘しています。
一方で、TSMCの3nmプロセスチップの最重要顧客となっているのがApple。テックメディア「MacRumors」によれば、Appleは次世代Mac向けの「M3」チップとiPhone向け「A17 Bionic」チップで、この3nmプロセスを採用するとのことです。
Appleシリコン「M」シリーズの登場により、インテルはMac向けのチップ供給を失いました。その後インテルはAppleに追いつこうと奮起してきましたが、結局は3nmチップ製造でAppleと競うことはやめてしまったようです。
なお、3nmチップの製造コストは、既存の5nmチップよりも相対的に高くなる見込みとのこと。特にTSMCの最新チップは需要が高く、製造コストは上昇しつつあります。
「wccftech」は、Appleはこの3nmチップを来年発売する「プレミアム製品」に活用するため、それほど影響はないだろうと指摘。一方で、PCユーザーにとっては、需要が大幅に減少した市場の影響も受け、コスト上昇が問題となる可能性があると述べています。
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