イーロン・マスク氏がTwitterの財務状況について、コスト削減を行わなければ「年間30億ドル(約4000億円)の赤字」という事態に直面していたはずだと主張しています。
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イーロン・マスクが「狂ったようなコスト削減」の理由を明かす
マスク氏は12月21日、Twitterの音声交流機能「スペース」で、Twitterの買収前と現在の財務状況を明かしました。
テック系メディア「Ars Technica」によれば、同氏はこの中で、Twitterの状況について「エンジンに火がついたまま地面と高速に向かっている飛行機に乗っていて、操縦桿が効かないようなものだ」と述べたとのこと。彼はこれが「時にまやかしに見えるかもしれない私の行動の理由だ」と主張しています。
マスク氏によれば、同プラットフォームは2023年に約50億ドルを支出する方向で進んでいたそうです。非公開化される前に同社が報告した2021年のTwitter全体のコストは56億ドルで、同年には約2億2100万ドルの純損失を計上していました。
マスク氏はTwitterの「何も変更を加えなかった場合」の純現金流出額は来年、約60億ドルから65億ドルになるはずだったと指摘。これは、同社がマスク氏による買収に際し125億ドルの負債を抱え、金利上昇の中で年間約15億ドルの債務返済が必要だったことも一因だとしています。
Twitterには10億ドルの現金があり、(現状が)良いとは言えません。だから、この5週間、狂ったようにコスト削減をしたんだ。
彼の発言はまた、来年の年間収益が約30億ドル程度になることを示唆するものです。2021年のTwitterの収益は50億ドルだったため、これが事実であれば2023年は20億ドル収入が減少すると同氏が予測していることを示します。これは、マスク氏の買収以来、多くの広告を出稿していた会社が手を引いたことによるものだと考えられます。
マスク氏はコスト削減の中で、7,500人の従業員の約半数を解雇しました。これにより広告主からは、同社がコンテンツの適正化やコンプライアンスなどの分野に十分な人員を配置しているかどうかが懸念されています。同氏はこれについて、コスト削減により、Twitter社がおおよそキャッシュフローの収支均衡を達成すると述べ、広告主たちとも話し合いを行っていると主張しました。
またマスク氏はTwitterを「広告収入に頼らないビジネスモデル」に変え、新しい収入源を生み出すことを目指しています。しかし、その一環であるサブスク「Twitter Blue」に関しては、一部ユーザーのなりすまし行為などにより、一時はサービスを停止しなければならない事態に追い込まれました。後にTwitterはこの計画を再スタートさせましたが、まだまだ課題は多いようです。
このように多くのTwitter改革に望むマスク氏ですが、同氏は先日、Twitterのユーザー投票の結果に従い、TwitterのCEOを辞任する方向であることも明かしていました。
I will resign as CEO as soon as I find someone foolish enough to take the job! After that, I will just run the software & servers teams.
— Elon Musk (@elonmusk) December 21, 2022
ただしマスク氏は退任時期について「この仕事を引き受けるだけの愚かな人を見つけ次第」としており、退任後も同社の「ソフトウェアとサーバーのチーム」を運営し、引き続き深く関わっていくことを示唆しています。
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