HDD最大手「Seagate」は、全世界の従業員数の8%にあたる3,000人を解雇する意向です。また、同社は米国で許可無く取引することが禁止されている「HUAWEI」と取引をしているのではないかという疑惑も持たれています。
Seagateが抱えている問題について、海外メディア「theregister」が解説しています。
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HDD最大手「Seagate」が抱えている問題と疑惑とは?
Seagateは、2020年時点ではHDDの世界出荷台数シェアで42.7%を誇る、HDDの世界最大手の企業です。しかしそんな同社は現在、多くの従業員を解雇せざるを得ないほどの窮地に立たされています。
同社の9月30日までの3ヶ月間の売上高は前年同期比3分の1以上減少し、20億4000万ドル(2,800億円)となっています。また、利益も5億2600万ドル(約730億円)から、わずか2,900万ドル(約40億円)にまで落ち込んでいます。さらに、昨年のこの時期から株価が約40%も下落しました。
そのため、Seagateは多くの従業員を解雇して、業績を改善させようとしているのです。CEOであるデイブ・モズリー氏は「供給規律と価格の安定を図るために生産量を調整することに加え、グローバルな従業員の削減を含む持続的なコスト削減計画を実施しています」と述べました。
この計画は3月期末までには完了し、約1億1000万ドル(約154億円)を節約できる見込みです。Seagateは、退職金やその他の解雇手当を中心に、約6,500万ドル(約91億円)の費用を支払うとのこと。
Seagateの人員削減は、コロナ禍に牽引された2年間の好景気の後、PCやクラウドサーバーの需要が悪化していることを示す兆候だと考えられています。
しかし、Seagateが追い詰められている理由はこれだけではありません。同社は商務省産業安全保障局(BIS)からアンクル・サムの輸出管理規制(EAR)に違反する取引をしているのではないかという指摘を受けているのです。要するに「問題のある企業と取引をしているのではないか」と疑惑を持たれているということです。
その問題のある企業とは、2019年に禁輸リストに追加された中国の通信機器大手「HUAWEI」です。
米国企業は、Huaweiだけでなく中国の「組織」「機関」「企業」「人物」に特定の機器を販売したり、取引をしたりする場合、米国政府から特別なライセンスを取得する必要があります。これに違反すると、罰金を科せられる可能性があります。
しかしSeagateは「同社のハードディスクはEARの対象ではありません。そのためHUAWEIに出荷するための許可は不要であり、何も悪いことはしていない」と主張しています。
この疑惑は現在、未解決のままですが、Seagateが米国の輸出規制を無視したことが判明した場合、同社は30万ドル(約4,200万円)または、取引額の2倍のいずれか高い方の制裁金を科される可能性があるとのこと。しかし、同社が実際にどの程度の罰金を課されるのかどうかはまだ不明です。
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