iPhoneやMacを生み出したAppleのロゴは、 「欠けたリンゴ」といえばすぐに連想するほど有名です。
しかし、そのロゴのデザインは、歴史上様々に変化してきました。その中でも印象的な「レインボーのロゴ」をジョブズが採用した理由と、このロゴがAppleに与えた影響について、Appleに詳しいYouTubeチャンネル「Apple Explained」が解説しています。
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Appleにとって「レインボーロゴ」は、どのようなモノなのか?
そもそもAppleの最初期のロゴは、リンゴの下に座るニュートンを描いた非常に複雑なものでした。しかし、あまりにも複雑すぎたため、Appleはデザイナーのロブ・ジャノフにデザインを依頼します。
当時、テック業界ではテキストベースのデザインが一般的でした。しかしジャノフは、その逆で、よりビジュアルを重視したアプローチをとったのです。
コンセプトは「リンゴのシルエットに噛み跡をつける」というものです。これは、非常にシンプルでありながら、効果的なシンボルでした。このロゴは、文字を使わなくても、すぐに「Apple」を連想してもらうことができます。
ただ、色に関しては、ジャノフはあまり自信がありませんでした。そのため、グレーの濃淡、金属の質感、無地など、さまざまなものを検討しました。
しかし、Apple IIは、カラーディスプレイを搭載した唯一のコンピューターであったため、この虹色のストライプをロゴに取り入れることで、Appleの優れたテクノロジーをユーザーにアピールすることができると考えました。
しかし、このアイディアには欠点もありました。それは、競合他社がApple IIに追いつき、カラーディスプレイを搭載するのが時間の問題だったということです。
そこで、彼はCEOであるジョブズに決断をゆだねました。ジョブズには、ジャノフが検討したさまざまな色の選択肢が提示されました。
最終的にジョブズが選んだのは、カラフルなストライプが入ったロゴでした。その理由は「Apple IIにより親しみを感じてもらえるから」というものでした。
しかし、社内の他の幹部たちは、そうは思っていなかったのです。なぜなら、6色のロゴをパソコンや書類、販促物に印刷するとなると、かなりのコストがかかるからです。
ジョブズは、反対を押し切り、その費用をかけるだけのマーケティング効果があると主張しました。結果として、このレインボーロゴは、20年以上使われました。
このレインボーロゴは巡り巡って、倒産危機のAppleを救うことになります。ジョブズが一度Appleを離れ、1997年に倒産寸前まで追い込まれたAppleに戻ったとき、彼は当時と同じ優秀な人材がまだ大勢働いていることに驚きました。
ジョブズは、ある社員に「どうしてAppleを辞めて、もっと優秀な技術系の会社に入らないんですか」と尋ねました。すると、その社員は「6色に染まっているからです」と答えたそうです。
この回答を聞いて、ジョブズはまだAppleが生き残る可能性があると感じました。そしてAppleロゴにも、新時代の幕開けを告げる大きな変革が行われます。
メッセージパッドの「Newton」などは廃止され、ロゴマークからもカラーが外されました。そしてモノクロのモダンなデザインに変更されました。
しかし、この6色はAppleのロゴマークから外れても、別の形で使われています。例えば、本社のステージには、旧ロゴと同じ色を同じ順番で使った6つのアーチが描かれています。また、iMacの最新ラインアップも同じ6色で展開されています。
さらにコマーシャルでは、ストライプのAppleロゴのアップデート版も登場します。
これは「レインボーロゴはもう使われていなくても、Appleがその色に歴史的な意義を認めていることを意味しているのだ」と「Apple Explained」は主張しています。
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