圧倒的な電力対性能を誇ったM1シリーズに続き、新チップ「M2」を発表したApple。これについて、AppleはARMベースのノート向けプロセッサでは、競合に3年以上のリードを持っていることをアナリストが指摘しています。
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ARMベースのノート向けCPU市場は「Appleが3年リード」
ARMベースの半導体メーカーとして知られているのが、米クアルコムです。同社はAndroid向けのチップを提供しており、モバイル市場ではAppleのiPhoneシリーズと長らく性能で競い合ってきました。
クアルコムはノートPC市場にもチップセットを提供し続けていますが、こちらでのAppleとの差は歴然としたものとなっています。パフォーマンスと電力効率の両方において、M1がもたらすものにすら遠く及びません。
テック系メディア「wccftech」が引用したStrategy Analytics社のアナリストであるSravan Kundojjala氏のレポートによると、AppleはクアルコムなどのARMベースの半導体メーカーに対し、ノート向け市場で2〜3年のリードを築いているとのこと。
Appleは、ARMベースのノートブックPCプロセッサにおいて、約90%の売上高シェアを獲得し、圧倒的なマーケットリーダーとしての地位を確立しました。AppleのMシリーズプロセッサファミリーはベンチマークを設定し、Appleは他のArmベースPCプロセッサベンダーに対して2~3年のリードを築いています。
クアルコムは、2021年のArmベースノートPCプロセッサ市場でわずか3%の売上高シェアを獲得し、CPUの性能ではAppleに遅れをとりました。シェアが低いにもかかわらず、クアルコムはNuvia CPUコアを搭載したノートブックPCプロセッサへの投資を続けています。
クアルコムのCEOはAppleシリコンを超えることを目指していると常々発言していますが、まだまだ具体化していません。対してAppleは次々と後継のプロセッサを開発しており、M1 Ultraでは高性能コンピューティング市場も狙っています。近いうちには、さらに強力なシリコンを搭載した新型「Mac Pro」も発表されると予測されています。
またAppleは発表会で、x86アーキテクチャを採用しているインテルに対しても、大きくリードしていることをアピールしていました。比較対象となったのはインテルの「Core i7-1255U」、最新の12世代のノート向けチップセットです。
チップ性能をまとめている海外サイト「CPU-Monkey」が記録したGeekbenchの結果では、M2はシングルコアで1,869、マルチコアで8,900を記録。対して、Core i7-1255Uはシングルコアで1603、マルチコアで5777となっています。
また、Appleが優れているのはCPU性能だけではありません。Appleが提示したグラフでは、インテルの「Core i7-1255U」に対し、同じ電力消費では2.3倍、最大性能でも大きな差がついていることが示されています。
iPhoneやMacBookといった人気のApple製品を支える裏側には、AシリーズやMシリーズといった性能の高いプロセッサがあります。特にAppleが重要視する電力対性能という意味では、今後しばらくは同社のリードが続くことは間違いなさそうです。
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