Meta(Facebookから改名)の業績の原因として、Appleが悪影響を及ぼしているとザッカーバーグCEOが批判しています。
*Category:テクノロジー technology|*Source:MacRumors(1), (2), Financial Times
Appleの「ある変更」がFacebookに及ぼした深刻な影響
Facebook改めMetaのマーク・ザッカーバーグCEOは先週、今年の業績が精彩を欠いているのは、Appleのアプリに関するルール変更のせいだと名指しで批判しました。
彼の怒りの矛先は、Appleのプライバシー規制です。Appleは最近、iOSアプリで“App Tracking Transparency(ATT)”フレームワーク(※サイトやアプリ間の追跡を許可するかの表示)を開発者に義務付けました。
同メディアが引用したフィナンシャル・タイムズ紙の調査によると、ほとんどのユーザーは、Appleが最近iOSアプリで表示を義務付けたATTフレームワーク(サイトやアプリ間の追跡を許可するか)の設定で、追跡を拒否していることがわかりました。
この変更で追跡広告などが難しくなったことにより、Meta、YouTube、Twitter、Snapchatは、2021年の第3四半期および第4四半期に98.5億ドル(約1兆円)の収益を失っていたとのこと。
中でも強い影響を受けたのが、SnapchatとFacebookです。Snapchatはアメリカで流行しているSNSで、スマホアプリを中心に事業を展開しているため影響が大きかったと『MacRumors』は指摘しています。
ザッカーバーグCEOは、このAppleのプライバシー規則の変更がなければ、同社のビジネスはもっとうまくいっていたと主張しています。CEOや他幹部もAppleを名指ししている以上、相当なレベルで怒り心頭であることは想像に難くありません。
対して、Appleのティム・クックCEOも、過去にFacebookを強く批判しています。今年の初めに開催されたプライバシー会議でのスピーチでクックCEOは、Facebookのようなプラットフォームが偏向や暴力につながることを示唆しました。「ユーザーを欺くこと、データを搾取すること、選択肢がないことでビジネスが成り立っているのであれば、それは賞賛に値しない。改革すべきだ」と述べています。
Facebookは以前から新聞に意見広告を掲載し「AppleのiOS 14の広告トラッキングの変更が、多くの中小企業に有害な影響を与える」などとAppleのプライバシー保護強化のやり方を批判してきました。
「ユーザーのプライバシーを守ると売上が下がる」というのもいかがなものかと思いますが、少なくともFacebook自身が、Appleの変更から受ける影響が大きいことは間違いないようです。
なお、『MacRumors』によれば、同じ大手SNSであるTwitterはこのATTの変更により、7.4%の影響しか受けなかったとのこと。Twitterは最近、“スーパーフォロー”や投げ銭を送れる“Tips(チップ)”の実装など、広告に頼らない利益確保の方法を模索しています。
Twitter社はファイナンシャル・タイムズに対し、「同社の広告は、消費者のモバイル習慣を追跡するよりも、文脈やブランディングに依存している」ため、影響が少なかったと述べています。
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