テスラ、YouTube、LinkedInの創業者やリーダーたちには、共通点があります。それは、彼らがオンライン決済の「PayPal」で初期のキャリアをスタートさせていることです。
彼らは、合計34兆円超(とはいえ、その大半はマスク氏の資産ですが)を稼いでいます。PayPalという企業が、世界最大級のテック企業の創業者たちにどのような影響を与えたのかについて、海外YouTubeチャンネル「Newsthink」が解説しています。
*Category:テクノロジー Technology|*Source:Newsthink,wikipedia
PayPalの社員が起業家になったきっかけとは?
かつて、PayPalの20代から30代の野心あふれるグループは「PayPalマフィア」と呼ばれていました。彼らは、かつて「Fortune誌」の表紙でマフィアのコスプレをしたこともあります。
その後、彼らは世界最大級のテック企業を設立したり、経営したりするようになります。
PayPalの創業者であるピーター・ティールによると「PayPalマフィア」は220人程度いるそうです。ティールは、PayPalマフィアの「ドン」と呼ばれることもある有名なスタートアップ投資家です。
PayPalは、ティールとマックス・レヴチンが、かつて流行したPalmPilotで送金する方法として、ソフトウェア会社「Confinity」を作ったことから始まります。
その後、Confinityはイーロン・マスクの決済会社x.comと合併し、2000年にPayPalとなりました。マスクは一時CEOを務めましたが、ティールに追い出されます。ティールは、2002年にeBayが15億ドル(約2,000億円)でPayPalを買収するまでCEOを務めました。
このような起業家たちを成功に導いたのは、eBayの功績でもあります。eBayがPayPalを買収したとき、PayPalの社員の多くは、eBayの伝統的な企業文化に馴染めませんでした。4年後には、50人いたPayPalの社員は、12人になっていました。
会社を去った社員は、起業家としてのスキルを活かして、新たな素晴らしいものを作ろうと考えました。そして、彼らは友人であったからこそ、新しい会社を作るために互いに力を合わせることができました。
ティールとレヴチンは、自分たちが気に入った人を採用することを習慣にしていました。ティールは、スタンフォード大学に在籍していた卒業生をたくさん採用しました。レヴチンは、母校であるイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の開発者や元クラスメートをスカウトしました。
レヴチンは、あるインタビューで、趣味は何かと尋ねられたことがあります。その際、彼は「バスケをすることです。」と答えています。ただレヴチンは、大学でバスケットボールをやっていた知り合いはみんなバカだと言って、誰も誘いませんでした。
レヴチンは、体育会系、社交クラブ系、MBA取得者などを排除したのです。その代わり、自分たちと同じような人を採用しました。
レヴチンは、理想的な人材を「私のように考え、同じようにオタクで、あまりヤル気がない人」と表しています。この条件に当てはまれば、良い人材であり、きっと仲良くなれると考えました。
そして、非常に重要なのは、ワーカホリック(仕事中毒)ができることです。なぜなら、スタートアップは、睡眠時間を確保することも難しいほどの長時間労働とプレッシャーがつきものだからです。
PayPalのペースは非常に激しく、社員は生活の中で仕事以外のことをすることができませんでした。社員達にとって互いは、ソーシャルライフでした。
サンフランシスコの高級ベトナム料理店で行われたレヴチンの29歳の誕生会に集まった友人のほとんどは、PayPalの元同僚たちでした。
ある時、良い歯医者を見つけるのがいかに難しいかという話になったそうです。そして、PayPalの元エンジニアリング担当副社長であるジェレミー・ストッペルマンと、PayPalを支える優秀なエンジニアの一人であるラッセル・シモンズは、人々がサービスをレビューできるウェブサイトについて語り合うようになりました。
このことがきっかけで、この2人はYelpを設立することになります。PayPalの経験や関係は、自らが会社を設立する際にも役立ったのです。
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