「マイケル・セイラー」氏はビットコインの熱心な信奉者としてしられ、多額の投資をしていることでも有名です。
記事作成時点において、セイラー氏は個人として約17,000BTC(ビットコイン)を所有するといわれており、彼が会長を務めるマイクロストラテジー社はさらに1桁多い140,000BBTCを所有しています。これは同社が世界最大のビットコイン保有企業であることを意味します。
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莫大なビットコインを所有し、さらに買い続ける
また、セイラー氏は米国のニュース番組やイベントに度々登場しており「ビットコイン強気派」、あるいはビットコイン至上主義とも言える〝マキシマリスト〟としても広く注目を集めているのです。
2023年の4月5日にも約3.8億円(293万ドル)を〝ポンッ〟と出して、ビットコインを爆買いしたことをツイートで報告していますが……彼が経営するマイクロストラテジー社は上場企業で、企業向けのクラウドサービスなどを提供する割と手堅いビジネスをしているので、本業で稼いだお金があるというわけ。
ビットコイン関連のイベントでの聴衆の様子をみると、彼はいまのところ界隈のヒーローとして扱われている印象ですが……現在発行されているビットコイン総量の1%に迫る額を1人と1社が握ることは危険なのではないでしょうか? ビットコイン信奉者が何より尊いとする「分散化」の理想に反しているようにも思えます。
マイケルセイラーは「買い過ぎ・セイラー」なのか?
匿名の古参ウォレットなどを除けば、セイラー氏は極めて大量のビットコインを保有していることは間違いなく、世間の注目を浴びる存在であることもまた確かです。
けれども、ビットコインの仕様、技術的な観点からみればそれは問題ではありません。ビットコイン・ネットワークに対する影響力は「マイニング・パワー」によってのみ行使されるものであり、膨大な数のコンピュータと莫大な電力をもってブロック生成に貢献しない限りはただのいちユーザーに過ぎません(イーサリアムやリップルなどの仮想通貨は保有額がネットワークに対する影響力につながりますが、これはビットコインとは異なる仕組みです)。
つまり、セイラー氏がいくらビットコインを大量に買ってもビットコインに新機能を追加したり、ビットコインの供給量を変えたり、といったことはできないのです。
少し話を飛躍させると……もし万が一将来的に邪悪な何者かがビットコインを買い占めても……? そう、ビットコイン・ネットワークは支配されません。莫大な計算力を持つコンピューターのネットワークと電力のみが支配権(投票権)の源になるというビットコインの設計がいかに優れているかがわかります。
それでも残る「買い過ぎ・セイラー」問題
しかし、1人と1社が大量のビットコインを保有することには一定の問題があります。
セイラーが所有するビットコインが増えれば増えるほど、世間、あるいはメディアは「ビットコインの成功や失敗」を「セイラーの成功や失敗」として考え、伝えるようになるということです(やれやれ、ここでも問題は人間の側にあるのです)。
たとえばもし、議員の誰かがビットコインに有利な法案を提出したとしましょう。すると、それは「マイケル・セイラーをもっと金持ちにする」ことと報道されるかもしれません。将来的に、セイラー氏が民主党/共和党の党派対立に巻き込まれたり、政治的に微妙な失言をしてしまった場合、もしくは何らかのスキャンダルに見舞われた場合に、それがビットコインに対する攻撃材料にされるでしょう。
ですから、我々は常に「セイラーはビットコイン・ネットワークではない。いくらM&Mチョコレートをたくさん買っても、チョコレート会社になれるわけではない」ということを理解する必要があります(将来的にやマスコミがこれを誤った〝レッテル貼り〟として悪用する可能性も含めて)。
くれぐれも、「ビットコインの支配者セイラーがーッ!」というような報道に惑わされないようにしましょう。あなたがここまで読んだ記事のタイトルだって、なかなかヒドいものですから(笑)。
そして、あなたが、もし(マイケル・セイラー氏ほどでないにせよ)ビットコインについて〝強気〟に感じているのであれば、主要国の利上げがピークを迎えると報道され始めたいま、ビットコイン投資を始める好機かもしれません。
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