「1933年製ダブルイーグル」はアメリカの20ドル金貨でり、全世界に22枚しかなかったという貴重なものです。しかも、このコインは「アメリカ政府が正式に発行したにもかかわらず、後に所持しているだけで違法となる」という不思議なコインとなっています。この「1933年製ダブルイーグル」コインのナゾを「Half as Interesting」の解説をもとにみていきましょう。
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「1933年製ダブルイーグル」の奇妙な成り立ち
1907年から1932年まで、米国造幣局は「サン=ゴーデンズのダブルイーグル」と呼ばれる金貨を製造していました。「サン=ゴーデンズ」そのコインをデザインした人の名前で、「ダブルイーグル」と呼ばれる理由は当時の10ドル効果「イーグル」2枚分の価値、すなわち20ドルのコインだからです。
さて、このころの米国の通貨制度は「金本位制」と呼ばれるもので、連邦準備銀行が発行する通貨はすべて、政府の金庫に保管されている実際の金塊に裏打ちされていなければならなかったのです。つまり、通貨を製造するためには、実際の金が必要だったということです。
このころ米国は大不況みまわれましたたため、大統領であったフランクリン・ルーズベルトは緊急危機を打開するために、貨幣を大量に製造するよう指示しました。2022年のいま日本銀行が量的緩和を行ない、お札を擦っているのと同じです。そしてこの金融政策をスムーズに進めるために「米国内での金貨、金塊、金券の買い占め」を禁止する「大統領令6102号」が発せられました。
さらに議会は、1934年に金準備法を可決し米国金貨の流通と個人所有を違法となりました。この法律により、米国では金貨はもはや法定通貨ではなくなり、人々は金貨を他の通貨に交換しなければならなくなったのです。
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