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凶悪すぎて戦争でも使用禁止の兵器「目つぶしレーザー」「クラスター爆弾」など15選

戦争などで使用される兵器は日々進化しています。ただ、そんな兵器の中にも凶悪過ぎて使用が「禁止」されている兵器が存在します。海外YouTubeチャンネル「The Infographics Show」が使用が禁止された凶悪兵器を15個解説しています。



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*Category:テクノロジー Technology *Source:The Infographics Show,wikipedia

戦争で使用が禁止されている「凶悪兵器」とは?


戦闘員から一般人まで、あらゆる人々に影響を与え、現代戦で禁止されている非常識な兵器は以下の通りです。

【1】焼夷弾


焼夷弾が使用されると、家は焼け、人々も火傷で苦しみ、数キロもの広範囲に被害を与えます。また、山火事が起きると、消火に数百人の人手を要することが多く、その損失は甚大です。

この戦術には長い歴史があります。焼夷弾は起爆ではなく着火で攻撃を開始するため、燃焼速度が遅く、燃焼時間が長いのが特徴です。熱兵器というモノは古代の軍隊の時代から使われており、油、動物性脂肪、樹脂などの物質を使って火をつけていました。その後、火薬の登場により、より大型で強力な焼夷弾を製造できるようになっています。そして、最終的には飛行機から敵地に投下するようになりました。

第二次世界大戦では、ナパーム弾のような強力な焼夷弾が使われ、都市に火がつくほどでした。なぜこのような兵器が禁止されることになったのでしょうか?

それはベトナム戦争の被害が関係しています。ベトナム戦争では、戦争の残虐性を伝える鮮烈な映像が多くの人に伝わりました。そして、その映像の多くはナパーム弾によるモノだったのです。

焼夷弾は制御が難しく、火災が長く続くため、双方の兵士を危険にさらす可能性があります。そのため、1980年の「特定通常兵器に関する条約」で、焼夷弾の使用が制限付きで禁止されたのです。現在でも敵を狙い撃ちすることは可能ですが、より広い範囲に対しての使用は禁止されています。

また、焼夷弾と同じような能力を持つ、火炎放射器も伐採のために使うことはできますが、武器として使うことはできません。

【2】クラスター爆弾


戦時中は爆弾が空から落ちてきます。敵は普通の爆弾を落としただけでなく、何百もの小さな爆弾をばらまきます。コレがクラスター爆弾です。この爆弾は、誰かが触ると爆発し、人の命や身体を傷つけます。

なぜこのような恐ろしい爆弾を作ったのでしょうか?まずは、恐怖を与え、人々を地下に追いやって抵抗を減らすためです。その他にも、クラスター爆弾をばら撒けば、敵の車両が戦場に入ってきたときに破壊することもできます。また、インフラを破壊するのにも適しているのです。

つまり、クラスター爆弾を利用すれば、1発目の攻撃で敵の電力を落としたり、滑走路を破壊できなくても、後から少しずつ追撃ができるということです。

この兵器はベトナム戦争以来、ほとんどすべての戦闘で使用されてきました。シリア、イエメン、エチオピアなど最近の紛争でも使用されていますが、120カ国以上が「もう使わない」と宣言しています。そして、クラスター爆弾禁止条約は2008年に採択され、それ以来、世界の大多数の国が署名し、民間人が不必要に苦しむことがないよう保障しています。

【3】地雷


地雷は、地形そのものを敵にする凶悪な兵器です。ジャングルの中を歩いていると、「カチッ」というかすかな音がして、誰かが動くとすぐに空高く吹き飛ばされます。領内に敵兵がいた場合は、すぐに爆発音を聞きつけ、負傷した兵士を仕留めることができます。

地雷が爆発的に普及したのは、第一次世界大戦後のことです。より強力な火薬と、より繊細な技術により、ヨーロッパの戦場は地雷で埋め尽くされました。そして、爆発しなかった地雷は戦後もそこに残り、数年たっても多くの場所を危険にさらしています。その後の争いでも地雷は使用され、世界各国に何百万個と仕掛けられました。

カンボジア、スーダン、イラクの3カ国では、地雷が広範囲に使用されていました。これらの国の市民は、戦争が終わったからといって、脅威が去ったわけではないことにすぐに気がついたのです。これらの国では不発弾のために命や手足を失った人が数多くいます。

世界はこの悲惨な状況を見て、1997年、地雷の使用を禁止する条約が結ばれました。当然、世界のほとんどの国が署名しましたが、世界三大強国であるロシア、中国、アメリカは含まれていません。また、武器の使用が違法化されたとしても、すでに埋められた数百万個の地雷を取り除くには長い時間がかかります。

【4】目潰しレーザー


軍の最新兵器の1つであるレーザーは、弾がなく、爆発もしないという点が特徴です。レーザーは発射する兵器によって生成され、その兵器のエネルギーが無くなるまで発射することができます。また、レーザーは、金属を切断しようとしたり、空から発射しようとしたりと、さまざまな用途で研究されています。

問題になっているレーザーの使用方法とは、敵兵の視覚を狙い、失明させるという使い方です。レーザーは太陽の光を一本に凝縮したようなモノでそれが目に入ると失明してしまいます。そのため、1995年に特定通常兵器禁止条約で、意図的な失明を目的としたレーザーの使用を禁止しました。

しかし、目を攻撃する以外のレーザーの使用は許可されています。現に、イラクや中国がレーザー兵器を開発しているとの情報も多くあります。また、イスラエルは、現在のミサイルシステム「アイアンドーム」を、ロケット弾を迎撃できるレーザーシステムに置き換えることも検討しているようです。

【5】毒入り弾丸


毒入り弾丸とは、ヒ素や硫黄を砲弾に溜めて攻撃する戦法です。この兵器の歴史は1675年のフランスとローマ帝国の間のストラスブール協定まで遡ります。当時は、軍隊が動物の糞や死体を使って弾丸を汚染させ、感染症を引き起こさせていたのです。

この兵器の魅力は広範囲に広がりましたが、毒入り弾丸を作ることは手間のかかる作業であり、それが理由でこの兵器は普及しませんでした。

ところが、その後もこの兵器の脅威は常にありました。そのため、使用を禁止することが議論されました。そこで、1874年に化学兵器の禁止が勧告され、25年後のハーグ宣言で毒ガスを散布する弾丸の使用が禁止されています。

ただ、毒入り弾丸の使用の大部分は目立たず、第一次世界大戦が終わるまで使用されていたようです。現在は他にもっと強力な兵器が開発されたこともあり、毒入り弾丸が脅威になることはめったにありません。

【6】ホローポイント弾


この兵器は、これまでに発明された中で最も致命的で残忍な弾丸です。この弾丸に撃たれると、病院へ運ぶか、感染症のリスクが高い戦場で手術に踏み切るかのどちらかを選択しなければなりません。しかし、この兵器の弾丸を取り出すことは簡単ではありません。なぜなら、これらの弾丸は体をまっすぐ通過するように設計されていないからです。

また、弾が体内に入ると、衝撃で膨張し、体内で傷口の2倍ほど大きくなります。そのため、体内を通過する際にダメージが大きくなり、致命傷を与える可能性が高くなります。この弾は猟銃として使う際に人気があります。ただ、人間を撃つ場合は全く別の話です。

この弾丸は、1899年以降、ハーグ条約によって使用が禁止されていますが、ジュネーブ条約にはこれらの武器についての記述はありません。しかし、ほとんどの国はこの兵器を使用していません。1941年にナチスが違反したのはその数少ない例です。

【7】検出不可能な破片


外科医が榴散弾の除去に取り掛かりますが、兵士の出血は治まりません。ただ、X線検査でも破片が残っているようには見えません。一体、兵士の体で何が起きているのでしょうか?

実は、爆弾や地雷には、金属ではなく、プラスチックやガラスなどの破片が含まれていることが多いのです。大きな破片はレントゲンに映るかもしれませんが、小さな破片は体内に潜伏しやすく、手術が終わった後もダメージを与え続けます。重大なケースでは、制御不能な出血を引き起こし、患者を救うことができなくなることもあるのです。

そこで、世界は特定通常兵器禁止条約で、さらなる苦痛と死をもたらす兵器の使用を禁止しました。そのため、これを使用することは戦争犯罪とみなされます。ただ、ゲリラ軍が時々、使用することがあるとのことです。

検出不可能な破片の禁止は、X線で発見できないプラスチック製の地雷にも適用されます。

【8】催涙ガスとペッパースプレー


催涙ガスは国内紛争で警察が抗議者のグループに分散したり、逮捕しやすくするために頻繁に使用されています。これは、痛みを伴いますが、命にかかわることはほとんどありません。また、類似のペッパースプレーは、個人用の武器として使用できるところもあります。

しかし、これは吸入化学兵器に分類され、ハーグ条約の適用を受けるため、戦闘での使用は技術的に違法となります。なぜこのような非殺傷性兵器が戦争で禁止されているのでしょうか?それは、化学兵器だからというだけでなく、殺傷力のある戦闘中の兵士を無力化することで、戦争法に違反するからです。

民間では、催涙スプレーは殺傷力のない群衆統制用武器として、殺傷力の代わりに使用されると考えられていますが、戦争に非殺傷の交戦などありえません。催涙ガスの波で目も見えず、呼吸もまともにできない状態で敵を銃殺するのは、とてもフェアとは言えないでしょう。

しかし、違法だからといって、使われなかったわけではありません。第一次世界大戦では、催涙ガスは実際に最もよく使われた化学兵器であり、ハーグ条約はほとんど無視されました。また、防護服の効果を示すために、わざと催涙ガスを浴びせることがあるようです。

【9】毒ガス


毒ガスの中にマスタードガスという種類があります。このガスは、史上最も悪名高い化学兵器の1つで、放出されると黄褐色になることと、その香りがどことなくカラシナに似ていることから、この名前が付けられました。

硫黄を主成分とするこの物質は、目を痛め、吸い込むと皮膚に水ぶくれができ、動けなくなるほどの痛みに襲われます。そして、肺を痛め、呼吸ができなくなることもあります。また、発がん性の高いガスであることが研究により明らかにされています。

つまり、毒ガスは初期効果が終わった後にも壊滅的な影響を及ぼす可能性があるということです。しかし、第一次世界大戦で毒ガスが大量に使用されたとき、誰もその影響を知らなかったのです。

毒ガスは1822年から開発され、ドイツ軍が戦闘で使用すると、軍拡競争が始まり、すぐに戦場は毒ガスだらけになりました。戦後、人々は毒ガスを戦闘に使うべきかどうかを議論しました。また、毒ガスによって地表が汚染されるのではないかと心配する声もありました。

その後も神経ガスで臓器機能に影響を与えたり、生存者に長期にわたる身体的問題を引き起こすなどのより強力なガスが続出したため、毒ガス禁止の主張はさらに強くなりました。そして、1925年のジュネーブ議定書で、毒ガスは禁止されました。

実際に、第二次世界大戦では、枢軸国も毒ガスの使用をほぼ見合わせています。しかし、毒ガスが完全になくなったわけではありません。毒ガスは、今でもテロ攻撃などで使用されています。

【10】動物兵器


何千年もの間、軍隊は戦士や装備を戦場に運ぶために馬を使用してきました。人間の最良の友は、危険を察知するのにも役立つのです。しかし、動物を戦争の武器として使うことは、はるかに非倫理的です。

ある軍隊は、動物を戦争兵器として使用するために、創造的な方法を試みました。アメリカは第二次世界大戦中、コウモリや鳥を使って兵器を運搬することを研究し、ソビエトは犬を神風特攻隊として戦車に突撃させました。

動物を使って病原菌を撒いたり、焼夷弾をばらまいたりする試みは、それらの兵器を戦闘中に使うことの禁止に該当するでしょう。

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