app

タイタニック見学ツアーで行方不明の潜水艇は「ゲーム機用のコントローラー」で操作されていた

大西洋で沈没した豪華客船「タイタニック」の残骸がある海底へと向かっていたオーシャンゲート社の観光用潜水艇が行方不明になっていると、米沿岸警備隊が19日に発表しました。報道の中では、この潜水艇が安全規制を守っていたのかなど、その作りが懸念されています。

*Category:テクノロジー Technology *Source:insider ,Ars Technica ,CBS ,BBC ,REUTERS

行方不明になった潜水艦「タイタン」


ロイター通信によると、行方不明になった「タイタン」と呼ばれる潜水艇の乗組員は、英国の億万長者で冒険好きなハミッシュ・ハーディング氏と、オーシャンゲートの創業者でCEOのストックトンラッシュ氏を含む5人とのこと。潜水艇はタイタニック号の沈没船跡を探検していた日曜日に、調査船ポーラー・プリンス号との連絡が途絶えた後、潜水開始からおよそ1時間45分後に消息を絶ったそうです。


潜水艇が最後に報告されたのは、北大西洋、ケープコッドの東約900マイル、水深約13,000フィートの水域でした。捜索・救助活動は消息を絶ってからまもなく開始され、現在も進行中です。英メディアBBCによると、潜水艇全体は外部からボルトで閉じられているため、たとえ浮上したとしても、乗員は外部からの援助がなければ脱出できないとのこと。

タイタニック見学ツアー、5人乗り潜水艇が行方不明 米カナダが捜索

BBCが提携する米CBSのデイヴィッド・ポーグ記者は昨年、潜水艇タイタンのツアーに参加した。同記者によると、海中ではGPSも無線も機能しないため、タイタンと通信するのは現在は無理だという。

ポーグ記者は、乗客は外側からボルトで閉じられた船内にいるため、「潜水艇が自力で浮上しても脱出できない。外部の人の手を借りなければ潜水艇から出られない」とBBCに説明した。


— 出典:BBC

潜水艇「タイタン」の安全性


報道の中で指摘されているのが、オーシャンゲートの潜水艇の安全性についてです。米メディア「insider」によれば、タイタンに搭乗したことのあるCBSのポーグ記者は「潜水艇の作りや安全免責に不安を覚えた」と述べていたとのこと。

失われたタイタニック号の潜水艦のメーカーがかつて記者に語った「ある時点で、安全性は純粋な無駄でしかない」

タイタン潜水艇は、その「革新性」のために、基準に達しているかどうか確認されることはなかったと、2019年にオーシャンゲートは述べている。ポッドキャスト「Unsung Science」によると、この潜水艦は、これまで潜水艦に使われたことのない炭素繊維の船体を採用している。

ポッドキャストのエピソードでポーグは、「MacGyvered」製の天井照明や航海用のXboxコントローラーなど、この潜水艇の作りや安全免責に不安を覚えたと述べています。


— 出典:insider

以前のCBSの動画の中では、CEOのストックトンラッシュ氏が、ゲーム機のコントローラーを持ち出し、ポーグ記者に「これですべてを操作している」と述べていることが分かります。


テックメディア「Ars Technica」によれば、これはロジクール(Logitech)が2010年に発売したF710ワイヤレスPCゲームコントローラーとのこと。ジョイスティックは尖った縦長の形状に改造されていますが、それ意外は通常のものと同じようにみえます。


タイタンが行方不明になったのは今回が初めてではありません。ポーグ記者は、昨年の夏にタイタンを取材した際も、潜水艇が数時間迷子になったとツイートしています(ポーグ記者は地上にいたとのこと)。

しかし同氏によれば、その際は潜水艇はまだ地上と連絡を取れていたとのこと。今回の場合は、潜水艇とのすべての通信連絡がすべて途絶えています。

当局は、乗組員の生命を危惧しており、ソノブイや水中探知能力を持つ航空機などを投入して捜索活動を支援しています。米国沿岸警備隊は、タイタンの酸素残量が約70時間から96時間であると推定しています。

Source: app