Appleの初代「iPhone」は、当時のマルチタッチ機器としては革新的な操作感を備えており、世界を驚かせました。
しかし、iPhoneのデザインで最も議論を呼んだ要素も数多くあります。その1つが、「戻る」ボタンが存在しないことです。
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「戻る」ボタンは、今でも大半のAndroid端末に標準装備されているものです。これは「いつでも前の画面に戻るボタンがあれば、ユーザーは簡単にデバイスを操作できる」という考え方から搭載されています。
しかし、Appleは「戻る」ボタンのない操作体系を作り出しました。その決断の背景には、初代iPhoneが開発中だった2007年にさかのぼるストーリーがあります。
実は、当時のCEOであるスティーブ・ジョブズは、「戻る」ボタンを搭載するつもりでした。ジョブズは、このボタンがナビゲーションのために必要不可欠だと考えていたのです。
ジョブズの考えは当然なものでした。実際、当時発売されていたAppleの音楽プレイヤー「iPod」は、ナビゲーションのためのボタンを5つ備えた操作体系で、大ヒットを記録しています。
この考えに異を唱えたのが、Appleに19年間在籍した、UIデザイナーのイムラン・シャウドリ氏です。彼は初期のiOSのUIを作成したチームの一員であり、Appleを退社する2017年までの間に、Mac、iPod、iPhone、iPad、Apple TV、Apple Watch、AirPods、HomePodなど数々の製品に関わった天才デザイナーです。
当時30代だった彼はジョブズにこう言いました。
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