ピッチャーとバッターの二刀流で成績を残す大谷翔平選手は、およお100年前に同じく二刀流で活躍し史上最も偉大な野球選手と言われているベーブルース氏とよく比較されます。大谷選手は、今シーズンオフにあらゆる球団と契約ができるフリーエージェント権を取得。大谷選手と所属するロサンゼルス・エンゼルスのオーナー等の言動に注目が集まっています。
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目次
- 1. 大谷選手の現在までの契約と今後
- 2. ベーブルース氏と大谷翔平選手の比較
- 3. ベーブルース氏の移籍
- 4. バンビーノの呪い
- 5. 大谷選手はどうなるか
大谷選手の現在までの契約と今後
大谷選手は2018シーズンからメジャーリーグ、ロサンゼルスエンゼルスに所属していますが、2018年時点では25歳を超えていなかったので、プロではなくアマチュアとしての契約となっていたため年俸が抑えられていました。また、年俸調停の資格を得るにはMLBで3年以上の経験が必要なため、球団が示す年俸を受け入れるしかなかったこともあり最近まで比較的低年俸。
2020シーズンを終えて大谷選手は年俸調停の資格を得ますが、調停を回避して2年(2021、2022シーズン)850万ドル(約11億4800万円)でエンゼルスと契約を合意。この契約を終えた2023シーズン開幕前には、1年(2023シーズン)、年俸3000万ドルで調停を回避してチームと契約しています。
2023シーズン終了後には、エンゼルスとの契約が終了し、また、FA権も取得しますので大谷選手の去就には注目が集まっているところ。
ベーブルース氏と大谷翔平選手の比較
二刀流で高成績を成績を収めていることから何かと比較されるベーブルース氏と大谷選手について、いろいろと比較してみます。
まずはベーブルース氏ですが、通算22年の選手生活のうち投手も務めていたのは10年。投手としてはの成績は、94勝4セーブ、勝率.671、奪三振501、防御率2.28など、打者としての成績は、ホームラン714本、打率.342、打点2217など。
一方、大谷選手は、2022シーズン終了まで日米通算10年の選手生活で、投手として、70勝0セーブ、勝率.707、奪三振1065、防御率2.69、打者として、ホームラン175本、打率.273、打点508など。
大谷選手の奪三振数1065の内訳は、日本のプロ野球で624、アメリカメジャーリーグで441であって、今シーズンの5月9日に開催されたアストロズ戦でベーブルースの501奪三振を超え、メディアでも報道されました。
ベーブルース氏は22年間の選手生活で、シーズンMVP1回、本塁打王12回、打点王6回、首位打者1回、最優秀防御率1回などを獲得。一方、大谷選手は日米通算10年の選手生活で、日本では最優秀選手1回、最優秀防御率1回、最多勝1回、アメリカではシーズンMVP1回、新人王、WBC最優秀選手などを獲得。
両者とも投打で一流の成績を残しているところですが、二人を比較すると、大谷選手は投手としてはベーブルース氏の成績を超えてくるでしょうが、打者としては難しいかもしれません。
ベーブルース氏の移籍
ベーブルース氏がメジャーリーグデビューしたのは、ボストン・レッドソックス。当初は投手としてチームに迎えられたが、当時のレッドソックスはスター選手を多く抱えていたため、登板機会があまり与えられませんでした。
それで、投手での機会がないなら打者としてゲームに出ようとバッティングに磨きをかけ打者として台頭。ボストン・レッドソックス所属最終年の1919年には、打者として本塁打王と打点王を獲得。1919年シーズン終了後には来シーズンの給料を前年の2倍にするよう要求します。
バンビーノの呪い
この頃、レッドソックスのオーナーのハリー・フレイジー氏は、自らが経営していた劇場の予算を捻出するために、給料が跳ね上がったベーブルース氏をニューヨークヤンキースに売却したほか、有力選手を他球団に売却。
ボストンレッドソックスは1918年にワールドチャンピオンになっていて、それまでは数年に1度の頻度でワールドチャンピオンになっていましたが、1919年シーズンオフのベーブルース氏放出以降はチャンピオンの座に就くことはなく86年を経て2004年にようやくワールドチャンピオンの座に就きました。
この86年間は「バンビーノの呪い」と言われており、チームから放出されたベーブルース氏の呪いであるという長い間のジンクス。ベーブルース氏は、幼少の頃から12年間も全寮制の工業学校ですごしていたことから、子供染みたところのあったルースは、チームメイトたちから「ベーブ(赤ちゃん)」と揶揄されるようになり、「ベーブ」というあだ名が生涯残りました。
大谷選手はどうなるか
なにかとベーブルース氏と比較される大谷選手ですが、エンゼルスとの契約は今シーズンで終了し、今シーズン終了後にはFA権を取得します。エンゼルスのオーナーであるアート・モレノ氏は、今年はじめまで球団売却を検討していましたが、それを中止。エンゼルスは、他球団とともに大谷選手との契約の席に着くか否かの判断を迫られています。
大谷選手との次期契約は、大リーグ史上最高となる総額で5億ドルを超えるとの予想。エンゼルスにとって大谷選手を放出することは、100年前にレッドソックスがベーブルースを放出してバンビーノの呪いにかかり長くワールドチャンピオンになれなかった状況にも似ていると危惧するMLBの声もあるようです。
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