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「iPhoneでビールを飲むアプリ」で一日200万円を稼いだ男の意外な失敗



» Appleさん、このiPhone SEがほしいです




伝説のiPhoneアプリ「iBeer」で一財産を築いたアプリ開発者、スティーブ・シェラトン氏のサクセス・ストーリーを、Appleの話題を取り扱う米メディア「Cult Of Mac」が公開しています。



*Category:テクノロジー Technology|*Source:hottrix ,Cult Of Mac

「一日2万ドルを稼いだ」伝説のジョークアプリ「iBeer」

iBeerは、iPhoneでビールを飲んでいるかのように見せかけられる単純なジョークアプリです。

シェラトン氏が「iPhoneを冷えたビールにする」というアイデアを思いついた2007年頃には、App Storeというものは存在しませんでした。そこで彼は最初、アプリを作るのではなく、iPhoneでビールを飲む様子を撮影したビデオを作り、YouTubeにアップロードしました。


この動画は、当時としては非常に多い、何百万回もの再生回数を記録する大ヒット動画となりました。「一文無しで、なんとか生きていくのが精一杯」で、友人の家に居候をしていた彼は、これでお金を稼ぐことを考えます。

そこでシェラトン氏は、iPhone用に制作した動画をダウンロード版にし、2.99ドルで販売しました。これが意外にも好評で、シェラトンはずっと1日2,000ドル(現在のレートで約23万円)の収入を得ていたそうです。

この話題が届いたのか、新しいiPhoneが発売されたとき、App Storeが初公開される前に、なんとAppleから直々に声をかけられました。Appleは話題作りのため、シェラトン氏のビールを飲む動画をアプリにしてほしいと依頼したのです。

シェラトン氏は、本物のビールを使って作成したループ動画と画像と使い、加速度センサーと連動させることで、iPhoneとビールの動きが同期するようにしました。


この「iBeer」は2008年のApp Storeでさらなる大ヒットを記録。当初「iBeer」は2.99ドルで販売されていましたが、シェラトン氏によると、約1年間ダウンロード数はストアで1位だったそうです。

ピーク時には、iBeerは「1日に1万ドルから2万ドルを稼いでいた」とのこと。また、iBeerに酷似した「iPint」というアプリをリリースしたCoors社を訴え、勝訴して1,250万ドルを稼ぎました。iBeerは2014年には、9,000万ダウンロードを記録しています。

突如大富豪になったシェラトン氏が認めた失敗


ところが、短期間で大金を稼いだことが災いのもとになってしまいます。シェラトン氏は、月6,000ドルの高価なアパートを借り、アパートを埋めるために骨董品に浪費を続けました。

「アプリが突然大流行して変わったライフスタイルは、それに伴う宣伝やストレスと相まって、人を破滅させる雪崩のようなものになる」と同氏は語ります。さらにシェラトン氏は当時、自身が「本物のアルコール」に依存するようになっていたそうです。

もちろん、iBeerの流行りが落ち着くのも時間の問題でした。そして彼は結局、自身が設立したHottrix社から身を引き、アプリの権利を放棄しました。

とはいえ、この体験は最終的に「とても楽しかった」とシェラトンは話しています。現在、彼はスペインの農場で質素な生活を送っているとのことですが、伝説のアプリiBeerは、現在でもApp Storeからダウンロード可能(基本無料)です。

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